「東電OL殺人事件」「だれが『本』を殺すのか」などで知られるノンフィクション作家の佐野眞一(さの・しんいち)さんが26日、肺がんのため亡くなった。75歳。葬儀は近親者で営む。後日、お別れの会を開く予定。
1947年、東京都葛飾区生まれ。早稲田大在学中は映画監督を志した。卒業後、出版社勤務を経てノンフィクション作家に。97年に「旅する巨人 宮本常一と渋沢敬三」で大宅壮一ノンフィクション賞、2009年に「甘粕正彦 乱心の曠野(こうや)」で講談社ノンフィクション賞をそれぞれ受賞した。
政財界の著名人や文化人の生き様や内面に迫るドキュメンタリーを多数発表。殺人事件など犯罪の取材、執筆も行った。他の主な著書に「遠い『山びこ』 無着成恭と教え子たちの四十年」「カリスマ 中内功とダイエーの『戦後』」「巨怪伝 正力松太郎と影武者たちの一世紀」「沖縄 だれにも書かれたくなかった戦後史」「あんぽん 孫正義伝」「津波と原発」など。
長年「ノンフィクション冬の時代」と言われる中、佐野さんの取材のサポートをした若手のデータマンがジャーナリストやノンフィクションライターとして活躍するなど、後進の育成にも貢献した。