北海道・知床半島沖で観光船「KAZU Ⅰ(カズワン)」が沈没した事故で、国土交通省は航行中の映像や音声を記録できる「船舶版ドライブレコーダー(ドラレコ)」の設置を、小型観光船などの事業者に義務付ける方針を固めた。船舶や乗員の様子を記録しておき、重大な事故が発生した場合の実態解明や、事業者の安全教育などに活用するためとしている。
国交省は28日に開催された事故対策検討委員会の第7回会合でこの方針について説明し、おおむね了承された。ドラレコのような装置はカズワンには設置されていなかったとみられる。乗員乗客計26人のうち19人が死亡、7人が行方不明という状況で証言も得られず、乗客の家族らからも再発防止の観点などからドラレコの設置を求める意見が出ていたという。
義務化の対象については、船体の構造上の問題で設置が難しい船舶もあることから、今後詳しく検討する。ドラレコは市販のものがあるといい、現時点では客室や操船デッキがある船舶を対象に義務付けることを想定している。この日の会合でも、委員から「(ドラレコの設置により)事故が起きた際の原因の明確化に役立つ」との意見もあったといい、国交省は設置の義務化に向けて法改正なども検討する。
検討委は7月、事業者の安全管理体制の強化▽監査や行政処分の強化▽設備要件の強化――など六つのテーマで小型旅客船の安全対策に関する中間取りまとめを公表。可能なものから速やかに実行に移すとしており、この日の会合では対策の実施状況なども報告された。検討委は年内をめどに最終取りまとめを行う予定としている。【木下翔太郎】