日本経済新聞は、ロシア産石油が欧州に裏流通しているとする9月8日朝刊の記事などに「誤解を与える表現や誤り」があったとして、28日朝刊に「おわび」と検証記事を掲載した。洋上での石油取引場面だとする写真や記述を取り消すなどした。
同紙の8日朝刊1面の記事は、ロシアによるウクライナ侵攻後、ギリシャ沖でロシア発のタンカーから石油を受け取って欧州に入港した船が増えたと指摘。その中で、8月24日にギリシャ沖で、ロシア発のギリシャ籍タンカーとトルコ発のインド籍タンカーが「横付けして石油を移し替える『瀬取り』の瞬間を写真に捉えた」と報じていた。
検証記事によると、撮影後のデータ分析により、この取引はイラク発トルコ経由のインド籍船からギリシャ籍船への移し替えであり、「ロシア産石油の取引だった可能性は低い」と記者は判断。デスクも共有した。ところが「意思疎通が不十分で」上司のグループ長はロシア産の取引だと誤認していたという。日経新聞社はインド籍船側の指摘で問題を把握して調査した、としている。検証記事で井口哲也編集局長は「あたかもロシア産の取引であるかのような印象を与える伝え方をした」と説明した。【青島顕】