高齢者狙い投資詐欺の疑い 男女34人グループを逮捕

高齢者らに実体のない会社への投資を持ちかけて現金をだまし取ったとして、警視庁など26都道府県警の合同捜査本部は10日、埼玉県川口市の職業不詳、新井寿之容疑者(31)ら17~52歳の男女計34人を詐欺容疑で逮捕した。同庁などは同日、東京都内のビルにあった拠点など全国99カ所の関係先を家宅捜索した。

警視庁捜査2課によると、こうした詐欺事件で一度に逮捕した人数としては過去最大規模。グループは2011年6月以降、主に高齢者を狙って約1100件の詐欺を繰り返し、被害総額は少なくとも約25億7100万円に上るとみられる。

新井容疑者らの逮捕容疑は昨年1月~今年5月、実体のない会社への投資を持ちかける書類を送り、証券会社の社員を装って「投資すれば必ずもうかる」と電話するなどし、兵庫県豊岡市の無職女性(78)ら3人から計6800万円をだまし取った疑い。

同課によると、詐欺グループは東京都内に登記のある「合同会社七福神」「エスメディアインターナショナル株式会社」「合同会社おはよえーす」の3社への投資を勧誘していたが、いずれも実体はなかったという。

警視庁などは、グループの背後で関東地方を拠点とする暴力団が関わっていたとみており、だまし取った金の流れなどの解明を進める。