柔道整復師の国家試験、出題項目を漏らした財団理事ら逮捕…専門学校教員に閲覧させる

柔道整復師の国家試験問題の出題項目を専門学校の教員に漏らしたとして、警視庁は5日、柔道整復研修試験財団(東京都港区)の理事の三橋裕之容疑者(64)(北区)と、問題作成を担当する試験委員だった整骨院経営の男(62)の2人を柔道整復師法違反(秘密保持義務など)容疑で逮捕した。
捜査関係者によると、三橋容疑者は男と共謀して今年2月、自身が講師を務める柔道整復師の専門学校の教員用メールアドレスに、翌3月に実施予定だった国家試験問題の出題項目を記載したデータを複数回送り、教員に閲覧させて試験事務の秘密を漏らした疑い。
同財団が選任する試験委員は、柔道整復師や医師などで構成され、問題作成と採点を担っている。整骨院経営の男は委員の一人で、問題作成の取りまとめを行う幹事だった。
三橋容疑者と男は30年来の知人で、警視庁は男が三橋容疑者に問題の出題項目を伝えていたとみている。
柔道整復師国家試験は、柔道整復理論や整形外科学などの試験科目からなる選択式の試験で、年に1回、全国10会場で行われている。今年3月の試験は4359人が受験し、合格率は62・9%だった。
三橋容疑者が講師を務める専門学校の合格率は97・3%に上り、全国の現役生の合格率より16・3ポイント高かったという。警視庁は、同校が授業で生徒に教えた内容について確認を進める。
三橋容疑者は公益社団法人「日本柔道整復師会」の副会長も務めている。
◆柔道整復師=ほねつぎ、接骨師とも呼ばれ、マッサージなどで捻挫や骨折、脱臼などの回復を促す。試験に合格した者に対し、厚生労働相が免許を与える国家資格。厚生労働省によると、2020年末現在、7万5786人おり、施術所は5万364か所ある。