厚生労働省の専門家分科会は7日、新型コロナウイルスの変異株オミクロン株で現在主流の系統「BA・5」に対応した新たなワクチンについて、無料で受けられる「臨時接種」に位置付けることを了承した。13日から接種が可能になるが、配送状況や自治体の判断で開始時期は異なる。生後6か月~4歳を対象としたワクチンも臨時接種とし、5歳以上と同じ「努力義務」を課すことが決まった。
オミクロン株対応ワクチンは9月20日以降、BA・1対応ワクチンを使って順次接種が始まっている。
BA・5対応ワクチンは米ファイザー製で、5日に特例承認された。厚労省は都道府県ごとに接種者数を推計し、配分を決めており、10日の週から11月前半にかけて約4300万回分を全国に配送する。
各自治体の接種会場では、両方のワクチンが混在する事態も想定される。自治体の判断で、希望するワクチンを選択できるようにすることも可能としている。
このため、懸念されるのが、BA・1対応の「接種控え」が起きることだ。厚労省は「効果に大きな差はなく、早く打てる方を接種してほしい」と呼びかけるが、大量廃棄につながる恐れもある。
企業などの「職域接種」は17日の週に始まり、米モデルナ製のBA・1対応ワクチンを使う予定だ。政府はオミクロン株対応ワクチンについて、2回目までの接種を終えた12歳以上の人を対象に、年内に希望者全員への接種完了を目指す。
一方、生後6か月~4歳へのワクチン接種は24日から始まる。1回あたりの投与量が大人の10分の1で計3回打つ。従来型ワクチンだが、オミクロン株にも効果があるとされる。
ファイザーによる臨床試験では、約73%の発症予防効果があったといい、安全性については、3回目接種後の38度以上の発熱が生後6か月から2歳になるまでで6・8%、2~4歳は5・1%で、「重大な懸念は認められない」としている。
新潟大の斎藤昭彦教授(小児感染症学)は「子どもは感染しても軽症が大半だが、重症化したり、後遺症が残ったりするケースも報告されている。副反応を心配して尻込みする親もいると思うが、重症化予防の効果を理解した上で接種を判断してほしい」と話す。