宮城・南三陸町の震災遺構、津波の跡残る壁に穴…屋上ドアのガラスも壊され被害届

宮城県南三陸町の民間震災遺構「高野会館」で、ガラスや壁が壊される被害があったことが6日分かった。管理する同町の南三陸ホテル観洋は2日、南三陸署に建造物損壊容疑で被害届を出した。
ホテルによると、壊されていたのは屋上に出るドアのガラスと4階天井の誘導灯。4階に上る階段の踊り場で津波の跡が残った壁には穴が開けられていた。
高野会館はホテルが運行する「語り部バス」の周遊ルートにあり、2日の見学時に被害に気づいた。1日の時点で異常はなかったという。
高野会館は海岸から約200メートル内陸にあり、震災時は冠婚葬祭場だった。高さ15メートルの津波で3階天井近くまで浸水したが、利用者や近所の住民、従業員ら計327人が屋上や4階に避難して全員無事だった。
ホテルの阿部隆二郎副社長(62)は「震災の爪痕を後世に残す大切な施設。このような卑劣な行為があったのは残念。被害に屈せず、伝承を続けていきたい」と話した。