鹿児島県・奄美大島と徳之島に生息する国の天然記念物アマミノクロウサギの交通事故死が増えている。8月末時点で73件が確認され、過去最多だった2021年(78件)を上回るペースで相次いでいる。21年7月の世界自然遺産登録による観光客の増加も影響しているとみられ、環境省が事故防止を呼び掛けている。
環境省によると、8月末現在のアマミノクロウサギの事故死の確認数は奄美大島が54件(前年同期比22件増)、徳之島19件(同9件増)。同省奄美群島国立公園管理事務所の鈴木真理子希少種保護増殖等専門員は「観光客の増加も死亡数が増えた要因として考えられる。22年は過去最多を更新する可能性が高い」と警鐘を鳴らす。
特に秋から冬にかけてはクロウサギの活動が活発になる繁殖期を迎えるため、10日には奄美市住用町の奄美大島世界遺産センターで、関係者約20人とクロウサギのマスコットキャラクター「あまくろ」が、市民や観光客に事故防止を呼び掛けるチラシを配った。
同省や地元市町村などは11月までキャンペーンを展開。このほか、クロウサギの道路への進入を抑えるネット設置による実証実験を進め、新たに事故が多発する道路沿いのフェンス設置を計画している。【神田和明】