知的財産権などに関する訴訟を扱う知財高裁が、東京・霞が関から目黒区中目黒2の新庁舎に移転し、11日に業務を始めた。今後、東京地裁のビジネス関連の裁判を扱う部署も順次移転し、新庁舎は「ビジネス・コート」としての機能を担う。全国初の取り組みで、従来より迅速かつ専門的な審理を目指す。
新庁舎は、地上5階・地下1階の鉄骨鉄筋コンクリート造り。東京メトロと東急東横線の中目黒駅から徒歩8分、JR恵比寿駅から徒歩11分の場所に位置する。
ビジネス関連の裁判は専門性が高いため、関係部署を集約することで知見やノウハウの集積を目指す。今後、地裁から移転するのは商事部、知的財産権部(17日)と倒産部(24日)。商事部は企業間紛争、知的財産権部は特許権などの訴訟、倒産部は破産や事業再生などを扱う。新庁舎は国際シンポジウムでも利用し、ビジネス訴訟の「国際力」も強化していく方針。
また、新庁舎では裁判のデジタル化も進める。14のウェブ会議用ブースを設置し、裁判官と弁護士らがオンラインで裁判の争点整理の手続きをできるようにした。知財高裁と東京地裁の商事部、知的財産権部は裁判に提出される準備書面や書証の写しなどをオンラインで受け付ける。
朝倉佳秀・東京地裁所長代行は「デジタル技術を最大限活用し、スピーディーで質の高い裁判を実現して社会のニーズに応えていきたい」と語った。【遠藤浩二】