大阪府「特例」天下り 「公募すべきだ」府議から廃止求める声

大阪府議会の総務常任委員会が14日開かれ、府職員OBらが「特例」の手続きで外郭団体の府指定出資法人の役員に天下っていた問題が質疑された。民間人が参加できる公募を省略し、府が決めたOBらが役員に推薦される特例について、議員から「天下りはさせないと条例で規定されているのだから、公募すべきだ」と廃止を求める声が出たが、府は正当な手続きを踏んでいると強調した。
自民党の原田亮府議が質問した。原田氏は、府職員基本条例で現役職員による再就職のあっせんが禁止されていることに触れ、「指定出資法人の権限(人事権)を越えて府が役員の人選に関与する行為は、あっせんに当たらないか」と指摘した。これに対し、人事課の担当者は、OBらは府の「人材バンク」に登録されていると主張。人材バンクを活用した就職支援はあっせんに当たらないとする規定が条例にあるとし、「人材バンクを用いているのであっせんには当たらない」と答弁した。
こうした場合の人材バンク活用方法について、府は、OBらが自身で登録していなければ代行登録していると説明。通常は人材バンクに提供される求人情報も、特例のケースでは法人側が求人を出していないことも明らかにした。原田氏は「それで人材バンクを活用したと言えるのか。あっせん批判をかわすために、形式的に(代行登録を)しているのでは」と述べ、「正々堂々と公募し、公明正大な採用の仕組みにできないのか」と注文を付けた。【石川将来】
再就職者は22人、大阪府が訂正
大阪府は14日、公募が省略される「特例」で指定出資法人の役員に再就職した府OBの人数について、過去5年間で22人だったと訂正した。当初は23人と説明していたが、府住宅供給公社常務理事のポストに就いた元府人事委員会事務局長ら2人が実際には公募で再就職していた。一方、別の1人が新たに特例で再就職していたことが確認されたとしている。