現場近くに複数の「タイヤ痕」、横転観光バスのタコグラフ解析へ…県警が本社・営業所捜索

静岡県小山町須走の県道・通称「ふじあざみライン」で観光バスが横転し、乗客1人が死亡した事故で、県警は14日、バスを運行した「美杉観光バス」本社と営業所(いずれも埼玉県飯能市)を自動車運転死傷行為処罰法違反(過失運転致死)の疑いで捜索した。押収した資料から運転手の勤務実態や車両の整備状況などを調べる。
捜査関係者によると、自動車運転死傷行為処罰法違反(過失運転致傷)の疑いで現行犯逮捕された運転手の埼玉県飯能市の男(26)は「ブレーキが利かなかった」と供述。一方、現場近くにはブレーキをかけた際にできたとみられる複数のタイヤ痕があった。県警はバスの運行記録計(タコグラフ)を解析するなどして走行状態を調べる。
バスは13日午前11時50分頃、富士山の須走口5合目から5キロ下った辺りで、右カーブを曲がりきれずに横転し、埼玉県入間市東町、無職枝川恵美子さん(74)が死亡した。静岡県警は14日、40~80歳代の女性6人が重傷、男女14人は軽傷だったと発表した。枝川さんは右腕損傷による出血などが死因という。