ニッポン放送・飯田浩司のそこまで言うか! 国会の「開店休業状態」与党の消極姿勢に疑問あり 理由は財務相のG20出席も…勘繰る政権の責任追及逃れ

北朝鮮が弾道ミサイルを断続的に発射し、米国は「国家安全保障戦略」を発表、中国は共産党大会に先立つ7中総会(第19期中央委員会第7回総会)で習近平総書記(国家主席)の3期目に向けた忠誠を誓わせた先週、わが国の国会はほとんど沈黙していました。
日本国内では、新型コロナウイルスの水際対策が緩和され、全国旅行支援が東京を除いてスタートし、円安がさらに加速して1ドル=147円台後半までいった先週、わが国の国会はほとんど沈黙していました。
今月3日に召集され、岸田文雄首相の所信表明演説と、各党の代表質問を終えたところでの開店休業状態。その理由は、鈴木俊一財務相がG20(20カ国・地域)財務相・中央銀行総裁会議出席のため、米ワシントンに出張していて不在だからだそうです。
国会は代表質問後に予算委員会を開いて、全閣僚出席のもとで基本的質疑を行うのが慣例だそうです。財務相が不在のため予算委員会が開けないようですが、何とも腑に落ちません。
というのも、大臣不在の場合でも副大臣が答弁に立つことは可能だからです。国務大臣、副大臣及び大臣政務官規範にも「副大臣は、国会において答弁を行うとともに、必要に応じ国会等との連絡調整を行うものとする」と記述があります。
テレビの国会中継ではあまり見かけませんが、各委員会では副大臣が所掌の法案などについて答弁に立っています。「NHKの生中継の入る予算委員会は特別」という指摘もありますが、例えば、新型コロナが問題になり始めた2020年2月から3月には、当時の稲津久厚労副大臣が何度も答弁に立っています。
「円安や為替介入などで大臣答弁が必要だ」という声も聞きますが、当時のコロナだって大問題でした。副大臣答弁は国会軽視だというのは当たりません。むしろ、そうした批判を避けるべく、副大臣も天皇陛下の認証を経て任官する認証官としているはずです。
一方で、政府・与党側の姿勢も問題です。
岸田首相は9日、国会日程は国会で決めることとしながら、「G20の財務相会合は極めて大事な、重要な会合であると認識している」と理解を求めました。
これは説明のようで説明ではなく、立憲民主党の安住淳国対委員長が言うように、重要な会合であるならなおさら、そこを避けて召集日を調整できなかったのか、疑問に感じます。
むしろ、「予算委員会での議論で、政権が追及されるのを避けているんじゃないか」と勘繰りたくなる消極性です。
冒頭で申し上げた通り、国内外の課題は待ったなしで押し寄せてきているわけです。国会を開けばすむ話ではありませんが、開きもしないで嵐が過ぎ去るのを待つのは、為政者として責任ある態度とは思えません。
■飯田浩司(いいだ・こうじ)1981年、神奈川県生まれ。2004年、横浜国立大学卒業後、ニッポン放送にアナウンサーとして入社。ニュース番組のパーソナリティーとして、政治・経済から国際問題まで取材する。現在、「飯田浩司のOK!COZY UP!」(月~金曜朝6―8時)を担当。趣味は野球観戦(阪神ファン)、鉄道・飛行機鑑賞、競馬、読書など。