柔道整復師の国家試験問題が仙台市の専門学校に漏えいしたとされる事件で、別の専門学校3校にも問題が漏らされた疑いが強まったとして、警視庁は試験事務を行う財団理事と試験委員の男2人を柔道整復師法違反(秘密保持義務など)容疑で26日に再逮捕する方針を固めた。
2人は、「柔道整復研修試験財団」理事の三橋裕之(64)(東京都北区)と、試験委員の黒田
剛生
(たけお)(62)(葛飾区)両容疑者。今年3月の国家試験問題を仙台市の専門学校の教員に漏らしたなどとして今月5日に同容疑で逮捕された。
捜査関係者によると、三橋容疑者は3月、黒田容疑者からSNSで伝えられた数十問分のキーワードについて、公益社団法人「日本柔道整復師会」(東京)の関係者を介して新宿区と横浜市の専門学校2校の教員にそれぞれ漏らした疑いが持たれている。
黒田容疑者は昨年10月、自身が講師を務めていた練馬区の専門学校の男性教員に、試験問題を決める会議を無断で録音した音声データを提供し、漏えいした疑いがあるという。
これら3校の生徒は試験の合格率が98・6%~83・9%で、いずれも「現役生」の全国平均(81%)を上回っていた。