壊れて停止したエスカレーター。ステップと天井の間に挟まっているのは、長い琴。 京王電鉄の仙川駅(東京都調布市)で、琴がエスカレーターと天井の間に挟まり、ステップが破損するという事故があった。事故により、翌日までエスカレーターは使用できなくなるなどの影響があった。 珍しい事故だが、他の乗客が巻き込まれていたらケガをしていた可能性もあり、京王電鉄は弁護士ドットコムニュースの取材に「大きい荷物や長い荷物を持ち込まれる際には、他のお客様に当たったり、施設に接触したりしないようご注意ください」と話している。 ●「2メートルを超える荷物は持ち込めない」 京王電鉄によると、事故が起きたのは10月10日18時35分ごろ。挟まってしまった琴は当日に撤去され、翌日夕方までにはエスカレーターの修理も終えて再開したという。仙川駅では、再発防止のために、天井までの高さ(2.1メートル)を表示するなど注意を呼びかけている。 京王電鉄の旅客営業規則によると、持ち込みの荷物について次のように定めている。 「旅客は、携帯できる物品であって、列車等の状況により、運輸上支障を生ずるおそれがないと認められるときに限り、3辺の最大の和が、250センチメートル以内のもので、その重量が30キログラム以内のものを無料で車内に2個まで持ち込むことができる ただし、長さ2メートルを超える物品は車内に持ち込むことができない」 今回の琴は、通常よりも大きなサイズの種類とみられ、長さが2メートルを超えていた可能性が高いという。 また、気になるエスカレーターの修理費用だが、京王電鉄の広報担当者は、「お客様がいらっしゃるためお答えは控えさせていただければ」と話している。 万が一、持ち込んだ荷物によって他の乗客を巻き込む事故や、駅の施設を破損する事故を起こしてしまった場合、どのような法的責任に問われるのだろうか。鉄道に造詣の深い甲本晃啓弁護士に聞いた。 ●一般論としては「修理費用の賠償責任ある」 今回、取材では回答してもらえませんでしたが、一般論として、駅の施設を破損した場合、どのような責任に問われるのでしょうか。 もし設備に欠陥といえるような問題がなければ、利用者の不注意で施設を破損する事故を起こしてしまうと、民事上の不法行為(民法709条)にあたります。 法律上は、その修復費用について賠償責任が生じます。なお、不注意(過失)による器物損壊については処罰規定がないので、刑事責任に問われることはありません。
壊れて停止したエスカレーター。ステップと天井の間に挟まっているのは、長い琴。
京王電鉄の仙川駅(東京都調布市)で、琴がエスカレーターと天井の間に挟まり、ステップが破損するという事故があった。事故により、翌日までエスカレーターは使用できなくなるなどの影響があった。
珍しい事故だが、他の乗客が巻き込まれていたらケガをしていた可能性もあり、京王電鉄は弁護士ドットコムニュースの取材に「大きい荷物や長い荷物を持ち込まれる際には、他のお客様に当たったり、施設に接触したりしないようご注意ください」と話している。
京王電鉄によると、事故が起きたのは10月10日18時35分ごろ。挟まってしまった琴は当日に撤去され、翌日夕方までにはエスカレーターの修理も終えて再開したという。仙川駅では、再発防止のために、天井までの高さ(2.1メートル)を表示するなど注意を呼びかけている。
京王電鉄の旅客営業規則によると、持ち込みの荷物について次のように定めている。
「旅客は、携帯できる物品であって、列車等の状況により、運輸上支障を生ずるおそれがないと認められるときに限り、3辺の最大の和が、250センチメートル以内のもので、その重量が30キログラム以内のものを無料で車内に2個まで持ち込むことができる ただし、長さ2メートルを超える物品は車内に持ち込むことができない」
今回の琴は、通常よりも大きなサイズの種類とみられ、長さが2メートルを超えていた可能性が高いという。
また、気になるエスカレーターの修理費用だが、京王電鉄の広報担当者は、「お客様がいらっしゃるためお答えは控えさせていただければ」と話している。
万が一、持ち込んだ荷物によって他の乗客を巻き込む事故や、駅の施設を破損する事故を起こしてしまった場合、どのような法的責任に問われるのだろうか。鉄道に造詣の深い甲本晃啓弁護士に聞いた。
今回、取材では回答してもらえませんでしたが、一般論として、駅の施設を破損した場合、どのような責任に問われるのでしょうか。
もし設備に欠陥といえるような問題がなければ、利用者の不注意で施設を破損する事故を起こしてしまうと、民事上の不法行為(民法709条)にあたります。
法律上は、その修復費用について賠償責任が生じます。なお、不注意(過失)による器物損壊については処罰規定がないので、刑事責任に問われることはありません。