首里城の再建へ 多くの人々が見守る中、国頭村で「木曳式」始まる

2019年の火災で正殿など6棟が全焼した首里城の再建に向け、沖縄県国頭村で29日午前、琉球王朝時代の祭事にならい国頭村から那覇市まで木材を運搬する「木曳式(こびきしき)」が始まった。多くの人々が見守る中、同村で調達され再建に使われる御材木(おざいもく)を積んだトレーラーが那覇市に向けて出発した。
運ばれる御材木は樹齢98年、重さ約4トン、長さ約9メートルのオキナワウラジロガシ。11月3日の起工式に向けて読谷村や北中城村、浦添市をパレードし、那覇市首里に向かう。
国頭村森林公園では「木曳式宣言」が行われた。奥間区の区民らが王朝時代、やんばるから切り出された木材を運ぶ際に歌われた木遣り歌「国頭(くんじゃん)サバクイ」を披露し、会場を沸かせた。
1989年の「平成の復元」の時には自身も参加したという大田吉子さん(88)=国頭村=は「やんばるは森に支えられて文化が育まれてきた。伝統がしっかり引き継がれている」と目を細めた。
道の駅ゆいゆい国頭で開かれた出発式で、知花靖国頭村長は「貴重なオキナワウラジロガシが無事に首里城まで運ばれ、有効に活用していただけることを願う」とあいさつした。
家族と出発の様子を見守った金城光野さん(34)=国頭村=は「国頭の木材が首里城再建に使われることはとても誇らしく、完成が待ち遠しい」と話した。
御材木は30日、国際通りである那覇フェスティバルや世界のウチナーンチュ大会前夜祭でもお披露目。31日~11月1日も県内各地で展示される予定だ。
火災は2019年10月31日午前2時半ごろ、正殿から出火。県警と那覇市消防局は出火原因を特定できなかった。