栃木県は25日、県内の小中高校生を対象に初めて実施した、18歳未満の「ヤングケアラー」の実態調査の速報値を発表した。国の調査と比較して「お世話をしている家族がいる」と答えた児童・生徒の割合は高かったが、世話の頻度は少なかった。日常生活や学業に影響が出ている子どもの存在も浮き彫りとなり、県は詳細な分析を進めるとともに具体的な支援策を検討している。【玉井滉大】
調査は7月に県内の小学6年、中学2年、高校2年の児童・生徒計約5万2000人を対象に実施。回答率は小学6年が87%、中学2年が77・4%、高校2年が71・7%だった。
「お世話をしている家族がいる」と答えたのは、小学6年が12%(国の調査6・5%)▽中学2年が8・2%(同5・7%)▽全日制高校2年が5%(同4・1%)――でいずれも国の調査を上回った。一方、世話の頻度で「ほぼ毎日」と答えたのは、小学6年が33・8%(同52・9%)▽中学2年が35・3%(同45・1%)▽全日制高校2年が37・4%(同47・6%)――でいずれも国の調査を下回った。県こども政策課の担当者は、調査前にヤングケアラーの啓発を実施したことで「(家族の世話をしている子どもが)幅広く掘り起こされた面があるのでは」と分析した。
「お世話をしている家族がいる」と答えた子どもの中には、家族の世話により「自分の時間が取れない」「勉強する時間が取れない」「睡眠が十分に取れない」と答えた児童・生徒も1割程度おり、生活や学業に影響が出ている子どもが一定数いることも分かった。
自覚しにくい傾向
ヤングケアラーの自覚があるかを問う設問では、世話をしている家族がいる生徒のうち、中学2年の41・2%、全日制高校2年の37・6%が「あてはまらない」と回答。「分からない」の割合も中学2年が46・6%、全日制高校2年が46・4%と高かった。同課の担当者は「国の提言の中でも、家族の世話が家庭内で当たり前となり、自覚しにくい傾向があるとされていた。県の調査結果でもその傾向は裏付けられたのではないか」と話した。
県は私立を含む小中高校約600校を対象とした学校向けの調査(回答率63・3%)も合わせて実施した。「ヤングケアラーの定義に該当すると思われる子どもがいる」と答えたのは、小学校21・3%▽中学校35・8%▽全日制高校40・9%――と国の調査よりやや低い傾向が見られた。「分からない」の割合も高く、外部と連携して対応しているケースは少なかった。
具体的支援を検討
調査結果を受け、同課の担当者は「負担が重い子からお手伝いに近い子までグラデーションがあることが分かった。結果を分析し、有識者の意見も聞きながら、それぞれの層に合う具体的な支援策を検討していく必要がある」と話した。県は詳細な分析を加え、12月中に調査報告書をまとめる予定。