サイバー攻撃の医療センター 復旧めど立たず 大阪府警に被害届へ

サイバー攻撃が原因とみられる電子カルテシステムの障害が起きた大阪急性期・総合医療センター(大阪市住吉区)は1日、新規の外来診療を停止するとともに復旧作業に当たった。政府が派遣した専門家の協力も得ているが、復旧のめどは立っていない。2日以降も当面の間、通常診療は行えない見込みで、正常化には時間がかかりそうだ。
同センターの職員は1日、予約のあった患者らの対応に追われた。患者には番号札を手渡し、各診療科に誘導。システム障害でパソコンが使えないため、職員向けの院内放送では必要事項を伝票に記載するよう促した。ある職員は「デジタルからアナログへ。まるで昭和の時代に戻ったようだ」と苦笑した。
同センターは大阪府内に3カ所しかない脳や心臓の疾患を扱う「高度救命救急センター」に指定されるなど地域医療の中核。現在、周辺の病院が患者を受け入れているが、記者団の取材に応じた吉村洋文知事は「重要な役割を担っている病院。非常に大きな影響が出ているのは事実」と話した。
府は新型コロナウイルスとインフルエンザの流行到来までに復旧できるかを懸念する。同センターに設置されている「大阪コロナ重症センター」は新規患者の受け入れを停止。吉村知事は「この冬も感染の波が来る。そのときまでになんとか復旧するよう府も支援する」と期待を込めた。
システム障害は10月31日に判明。保存データを暗号化して見られないようにし、復元のための金銭を要求するコンピューターウイルス「ランサムウエア」によるものとみられ、同センターは大阪府警に被害届を提出する方針。