「餃子の王将」を展開する王将フードサービスの社長だった大東隆行さん=当時(72)=が射殺された事件で、京都府警と福岡県警の合同捜査本部が、創業者の長男に任意で事情聴取したことが分かった。また、創業家元役員らの自宅を事件の関係先として家宅捜索、他の元役員からも任意で事情聴取した。
捜査本部は、創業家が特定の企業グループの経営者と不適切取引をしていたことと、事件との関連性に関心を示しており、取引の実態解明を進めている。
創業家と企業グループの関係は1977年ごろ、王将創業者の加藤朝雄氏の時代に始まり、長男らに代表権が移った94年ごろから、多くで取締役会の承認を得ずに、経営者側と不動産の購入や金銭の貸し付けが行われた。
大東さんは社長就任後、不適切取引の解消に乗り出し、2013年11月13日付で社内調査をまとめた報告書が完成した。だが、ほとんどの役員と共有されないまま回収され、約1カ月後に事件は起きた。
事件後の16年、第三者委員会が、創業家と企業グループとの不適切取引が長年存在していたとする報告書を公表。王将側から200億円超が流出し、約176億円が未回収となったことが公表された。
捜査関係者によると、京都府警は16年1月、経営者の関係会社を家宅捜索し、経理書類などを押収した。
殺人容疑などで逮捕された特定危険指定暴力団工藤会(北九州市)系組幹部の田中幸雄容疑者(56)と、大東さんや王将側との接点は確認されておらず、何者かが田中容疑者に殺害を依頼した疑いも浮上している。