高橋元理事、4回目の起訴へ 賄賂計約1億9600万円に 五輪汚職

東京五輪・パラリンピックを巡る汚職事件で、業界3位の広告会社「ADKホールディングス」(旧アサツーディ・ケイ、東京)と玩具会社「サン・アロー」(同)から計約5400万円の賄賂を受け取ったとして、東京地検特捜部が受託収賄罪で、大会組織委員会元理事の高橋治之容疑者(78)を勾留期限の9日に追起訴する方針を固めたことが、関係者への取材で分かった。
高橋容疑者はこれまでに紳士服大手「AOKIホールディングス」、出版大手「KADOKAWA」、広告会社「大広」の3ルートで逮捕・起訴されている。受領したとされる賄賂の総額は、5つの資金提供ルートで計約1億9600万円となる見込み。
特捜部は10月19日、ADKが大会スポンサー企業の契約関連業務に関わる「販売協力代理店」に選定されることなどへの見返りに計約4700万円、サン・アローが大会の公式ライセンス商品のぬいぐるみを製造・販売することの見返りに計約700万円をそれぞれ受け取ったとして高橋容疑者を再逮捕。関係者によると、高橋容疑者はいずれも容疑を否認している。
贈賄容疑で逮捕されているADK前社長、植野伸一容疑者(68)ら3人についても、特捜部は贈賄罪で起訴する見通し。高橋容疑者に賄賂を渡したとされるサン・アロー幹部や、資金の振込先となったコンサルティング会社(東京都千代田区)の代表についても在宅で捜査を進めている。