福岡の保育園バス放置死、元園長・保育士に有罪判決…「両被告の過失は重い」

福岡県中間市の私立双葉保育園で昨年7月、園児が送迎バス内に置き去りにされて熱中症で死亡した事件で、業務上過失致死罪に問われた当時の園長(45)、保育士(59)両被告の判決が8日、福岡地裁であった。冨田敦史裁判長は「園児を預かる立場として、極めて基本的な注意義務を怠った」として、当時の園長に禁錮2年、執行猶予3年(求刑・禁錮2年)、保育士に禁錮1年6月、執行猶予3年(求刑・禁錮1年6月)を言い渡した。
判決によると、両被告は昨年7月29日朝、中間市内の同保育園駐車場で、送迎バスから園児たちを降車させる際、泣いていた園児に気を取られて全員が降りたことを確認せず、園児の倉掛

冬生
(とうま)ちゃん(当時5歳)を残してバスを施錠。窓を閉め切った車内に約9時間放置し、熱中症で死亡させた。
元園長は1人でバスを運転し、保育士はバスの到着後に園児を降車させて引率する補助役だった。両被告は起訴事実を認め、元園長側は保育士の人手不足の中でバスを運行したことが事件の遠因にあるなどとして、刑の執行を猶予するよう求めていた。
判決で、冨田裁判長は2007年に北九州市小倉北区の保育園で起きた同様の置き去り死亡事件を認識していたのに車内確認を徹底しなかったなどと、両被告の認識の甘さや園の管理体制を非難。元園長は他の園児に気を取られて降車確認を怠り、保育士は元園長が確認したと思い込んだとし、「(両被告の降車確認は)困難ではなく、両被告の過失は重い。

灼熱
(しゃくねつ)の車内に取り残された苦痛や心細さはあまりに痛ましい」と指摘した。業務を統括する立場の元園長の責任はより重いとした。
一方で、当日の慌ただしい状況による注意不足などは一定程度考慮すべきで、両被告が謝罪していることなども挙げ、長年にわたって保育士の仕事に献身的に携わってきたことなどを考慮して執行猶予を付けた。
判決の言い渡しを両被告はうつむき加減で聞き入った。一方、冬生ちゃんの母親ら遺族は両被告に厳しい視線を向けていた。元園長は閉廷後、報道陣の取材に応じ、「本当に申し訳ない。償いを続けていきたい」と話した。