三重沖が震源なのに関東・東北が揺れた「異常震域」地震の脅威 今後見込まれる「首都直下型」との関連性は

14日午後5時9分ごろ、三重県南東沖を震源とする地震が発生し、福島県などで震度4を記録した。震源の深さは350キロと非常に深く、「深発地震」により、離れた場所で強い揺れが観測される「異常震域」という現象が起きた。専門家は今後、首都圏などを襲うと見込まれる巨大地震との関連性を指摘する。
地震の規模はマグニチュード(M)6・1と推定される。震源地はフィリピン海プレートよりも深くにある太平洋プレート内。太平洋プレートは東北地方太平洋沖に沿って他のプレートと接しており、この太平洋プレート沿いで揺れが伝わったとみられる。
夕刊フジで『警戒せよ!生死を分ける地震の基礎知識』(毎週木曜)を連載する武蔵野学院大学の島村英紀特任教授は「M6程度でも、陸地やより浅いところで起きていれば相当な被害が見込まれた。深発地震が浅い震源での地震を誘発するとの指摘もある」と解説する。
日本列島周辺のプレート境界にある相模トラフや南海トラフでは巨大地震が警戒されている。
災害史に詳しい立命館大学環太平洋文明研究センターの高橋学特任教授は「今回の地震は、日本列島を東側から押す太平洋プレートが活発化していることの表れだ。首都圏の陸地で起きる地震も太平洋プレートの間接的な影響を受けており、最近の茨城県や千葉県の地震を見ると、首都直下型地震へ切羽詰まっている印象だ」と強調した。