兵庫県尼崎市長選は20日投開票され、無所属新人で前市教育長の松本真氏(43)(自民支持)が、日本維新の会新人で社会福祉法人理事長の大原隼人氏(44)を破り、初当選した。投票率は32・77%(前回24・71%)。「全国政党化」を目指す維新は、拠点とする大阪以外で初の公認首長の誕生を目指したが及ばず、来年春の統一地方選に向け、戦略の見直しを迫られそうだ。
午後8時10分頃、当選確実の一報が届くと、松本氏は「誰一人取り残さない市政を確実に実行していく」とあいさつした。
市では、無所属の女性市長2人が20年にわたって市政を担ってきた。3期で退任する稲村和美市長(50)から後継指名を受けた松本氏は子育て施策の充実などを訴え、支持を集めた。
選挙戦では、どの政党にも推薦を求めなかったが、維新の勢力拡大を警戒する自民党県連や立憲民主党の県組織が支援に回った。
過去3回、市長選に候補を立てた共産党は擁立を見送り、自主投票とした公明党も一部市議が支持を表明する形で「維新包囲網」を敷く戦略が奏功した。
一方、維新は8月に就任した馬場代表が初めて臨んだ首長選を勝利で飾れなかった。
「大阪ローカル政党」を脱却するため、馬場代表は統一選で地方議員を現在の1・5倍の600人以上に増やすことを目標に掲げ、大阪に隣接する尼崎市長選を前哨戦と位置づけた。
馬場代表や吉村洋文共同代表(大阪府知事)らが現地入りし「身を切る改革」を始めとした大阪の実績を訴えたが、届かなかった。
維新幹部は、敗因について、地方組織の
脆弱
(ぜいじゃく)さを挙げる。大阪の地方議員は約250人いるのに対し、兵庫県内は約50人。今回の市長選では、大阪の地方議員が続々応援に入ったが、得票は伸びず、公認候補を立てた県内の市長選で維新は5連敗となった。
この幹部は「『風頼み』の選挙には限界がある」と語り、統一選に向け、地方組織の強化が必要との認識を示した。