最高裁「率直に反省」と謝罪 重大少年事件の記録破棄巡り初会合

神戸連続児童殺傷事件(1997年)など重大少年事件の記録が各地の裁判所で廃棄されていた問題で、記録を永久的に保存する「特別保存」の在り方を検証する有識者委員会の初会合が25日、最高裁であった。堀田真哉・最高裁事務総長は冒頭、特別保存の仕組みが十分ではなかったとし、「事件に関係する方々を含む国民の皆様に対し申し訳なく、率直に反省しなければならない」と謝罪した。
有識者委は、最高裁が設置し、弁護士や大学教授ら3人で構成されている。初会合は冒頭を除いて非公開で、最高裁によると、梶木寿・元広島高検検事長が座長に選ばれた。大分地裁が特別保存としていた民事事件6件の記録を今年2月に廃棄していたことが、新たに判明したことも報告された。最高裁は2020年に主要日刊紙2紙以上が報道した事件などを特別保存の対象とする運用要領を全国の裁判所に通知していた。
有識者委に対し、堀田事務総長は「記録の廃棄は裁判所全体の問題で、重く受け止めている。第三者の目で客観的・多角的に評価していただきたい」と求めた。有識者委は28日に第2回会合を開く予定。【遠山和宏】