鹿児島県奄美市で2019年、1人暮らしの87歳女性を刺殺したとして、殺人と住居侵入の罪に問われた住所不定、無職渡部円治被告(24)の裁判員裁判で、鹿児島地裁は28日、「証拠上、被告を犯人と認定するには合理的な疑いが残る」として、無罪(求刑懲役20年)の判決を言い渡した。
女性宅で採取された被告の指紋や毛髪などの証拠を元に、検察側は「被告が犯人でなければ合理的な説明ができない」と主張したが、中田幹人裁判長は判決理由で「事件より前に立ち入って残した可能性も否定できない」と指摘した。
弁護側は鑑定は信用できないと訴えたが、判決は、大半は被告のものだと認定した。