止まらぬ逆風にもうヘロヘロ…岸田首相、菅前首相や麻生副総裁など〝自民大物〟に接近し相次ぎ会談 維新や国民と野党へ歩み寄りも

岸田文雄首相が〝大物議員〟との会談を重ねている。臨時国会(12月10日会期末)は補正予算案など重要課題を抱えるが、閣僚の「辞任ドミノ」などで内閣支持率は続落しており、政権運営への協力や助言を求めたとみられる。年末までの国家安全保障戦略など「安保3文書」改定も控え、岸田首相は野党を抱え込む動きも見せている。
「最近の色んな動きを報告するとともに、意見交換した」
岸田首相は28日午後、議員会館で菅義偉前首相と会談後、記者団にこう語った。
醜聞直撃で1カ月で閣僚3人が辞任したうえ、自身の「空白領収書」問題も発覚するなど、岸田首相は逆風にさらされている。1年前の「菅降ろし」の口火を切った負い目はあるが、わらにもすがる思いのようだ。
岸田首相はこの日、自民党の麻生太郎副総裁や、茂木敏充幹事長とも意見交換したが、最近、党内外の有力者との会談を続けている=別表。
野党の攻勢を招いた自身の政権運営について、平身低頭、陳謝に徹しているという。
一方で、野党への歩み寄りもみられる。
防衛費増額や「安保3文書」改定の議論では、日本維新の会の馬場伸幸代表や、国民民主党の玉木雄一郎代表らと「議論の場」を設定する意向を示している。「防衛力強化」「防衛費増額」の必要性で認識を共有する両党と連携し、取り込む動きとの指摘もある。
8月の内閣改造から間もなく、局面転換の再改造には厳しい目が向けられている。衆院解散も来春の統一地方選を控えて慎重な声が根強い。
岸田首相としては当面、「配慮」や「抱え込み」に追われそうだ。