2021年10月の衆院選で公示前に自身への投票を呼び掛ける文書を不特定多数の有権者に送ったとして、公職選挙法違反(法定外文書頒布、事前運動)の罪に問われた日本維新の会の衆院議員、前川清成被告(59)=比例近畿=の論告求刑公判が13日、奈良地裁(澤田正彦裁判長)であった。検察側が罰金30万円を求刑し、弁護側は無罪を主張して結審した。判決は23年1月18日。
起訴内容は衆院選公示前の21年10月14日、自らが当選する目的で「選挙区は『前川きよしげ』、比例区は『維新』とお書きください」と記した選挙はがきなどが入った封書35通を有権者に発送したとしている。
公選法は一般的に公示前の選挙運動を禁止。ただし、選挙はがきの宛名書きなどは、支援を期待できる相手であれば「立候補の準備行為」として合法とされる。前川議員が送った封書は母校・関西大の卒業生らに宛てたもので選挙はがきへの宛名書きを依頼する文書なども入っていた。公判では不特定多数への投票呼び掛けか、選挙に向けた支持者への依頼なのかが争われた。
検察側は論告で「選挙はがきの文言を目に触れさせ、投票を決意させる依頼行為なのは明らかだ」と指摘。弁護士でもある前川議員を「率先して法令を順守すべきでありながら、自ら主導して犯行に及んだことは強い非難を免れない」と批判した。
弁護側は最終弁論で、前川議員が関西大卒業生が集まる親睦団体の会合に出席してきたことなどを理由に、「卒業生は支援を期待できるグループだった」と主張。前川議員は最終意見陳述で「不当な捜査、起訴と闘い、この裁判に勝たなくてはいけないと考えている」と改めて無罪を主張した。【吉川雄飛】