〝岸田増税〟異論封じ込めも…広がる危機感 炎上の「国民の責任」発言修正も既定路線は変えず 続く混乱「内閣不信任案」「財務省の陰謀」の声

岸田文雄首相が、防衛力強化に向けた財源に「増税」を打ち出したことへの混乱や批判が収まらない。国債発行や景気回復による税収増を考慮しない姿勢は、「財務省主導の増税論」として反発を招いている。岸田首相の「(増税方針は)今を生きる国民の責任」との発言は修正されたが、ネットで再炎上する結果となっている。増税方針に反発した高市早苗経済安保相の交代論が浮上するなど、異論を封じ込めるような動きも出ている。国民の岸田政権への信頼感に直結しそうだ。
《修正したところで防衛増税を修正しないとただの改竄だろう》
《最悪の逃げ》《意味は変わらない》
《国民の怒りがおさまって、支持率が上がって、増税に納得すると思ってるの?》
自民党は14日、同党のホームページで、岸田首相が13日の役員会で、増税方針について「今を生きる国民の責任」と発言したと党幹部が事後に紹介した内容を「今を生きるわれわれの責任」と修正した。だが、ネット上では前出のような批判が噴出している。「岸田増税」への怒りは強い。
党内からも、「国民の責任というよりも政治の責任だ。国民に押し付ける話ではない」(三原じゅん子参院議員)などと不満が収まらない。
中国が軍事的覇権拡大を進め、「台湾有事=日本有事」の危機が迫り、北朝鮮が核・ミサイル開発を強行するなど、リスクの現実化が懸念されるなか、防衛力強化は急務だ。ただ、その具体的中身より「増税」が先行したことで、閣内も党内も大混乱している。
高市氏は増税優先方針にクギを刺し、自民党の世耕弘成参院幹事長も「国民が納得、理解の上に、協力してくれるものにしなければならない」と発言した。
保守系議員の一部には、「内閣不信任案に値する」「財務省の陰謀」「造反せざるを得ない」との声まである。
一方、猪口邦子元少子化担当相は14日、「命をかけて国を守る人を税金で支えるというメッセージを出すのが政治の仕事だ。自衛隊を税金で支えず、国債で(支える)とは失礼に過ぎると思う」と増税に賛成した。
15日に予定した与党税制改正大綱の決定は16日に後ずれする見通しだ。
政権周辺では、増税方針に〝反発〟した、高市氏の閣僚交代論も浮上している。岸田政権は「異論を排除」するのか。
ある自民党議員は「2021年度の税収は、約67兆円で過去最高を更新した。経済成長を継続し、今後も税収増となれば防衛費増額は補えるという発想になぜ至らないのか」と強調する。
別のベテラン議員は「国防を人質に増税や強権的な政権運営をするのは筋が違う。国民の支持、人心が一気に離れる」と警鐘を鳴らした。