五ノ井さん「コミュニケーションのようにセクハラ」自衛隊性暴力

陸上自衛隊郡山駐屯地(福島県)に所属していた当時、複数の男性隊員から性暴力の被害を受けた元1等陸士、五ノ井里奈さん(23)が19日、日本外国特派員協会(東京)で記者会見した。防衛省が五ノ井さんの被害申告をほぼ全面的に認め、直接的に関与した20~40代の1等陸曹~3等陸曹の計5人を懲戒免職とするなどの対応に踏み切ったことについて、「私が実名で告発して世間に注目されなければ処分はなされず、同じ行為が繰り返されていたと思う。私が所属していた部隊では、コミュニケーションのようにセクハラがあった」と述べた。
懲戒免職の5人は、五ノ井さんと同じ部隊の先輩。うち3人=2曹と3曹=は2021年6月、訓練で張ったテント内で五ノ井さんの胸を触るなどした。30代の3等陸尉=訓戒=はこの訓練後、車の中で服を脱ぐよう促す発言をした。
21年8月には宿舎の部屋で、3曹3人が1曹の指示で五ノ井さんを押し倒し、下半身に触れるなどした。うち1人は五ノ井さんに口止めをしていた。3曹2人は1年弱にわたって日常的に抱きつくなどの行為を繰り返していたという。
中隊長=1等陸尉、停職6カ月=は21年6月の事案があった後、五ノ井さんの様子がおかしいと部下から報告されたのに、十分な調査をしなかった。さらに8月の事案の後には五ノ井さん本人から申告を受けたのに調査せず、直後に五ノ井さんが任務を離れて実家へ戻った理由について「家庭の事情」とだけ大隊長に報告していた。
防衛省はこのほか、監督責任を問われた大隊長=2等陸佐=と連隊長=1等陸佐=を注意や口頭注意とした。何らかの処分の対象となったのは9人に上り、いずれも男性。【内橋寿明、安達恒太郎】