「すぐに分かるうそ」「おごりがあった」 薗浦氏の地元で動揺広がる

「政治とカネ」の問題を巡って東京地検特捜部の捜査を受けていた薗浦健太郎衆院議員(50)=千葉5区=が辞職した。補欠選挙は早ければ来春の統一地方選に合わせて実施される。地元の千葉県市川市では動揺が広がっている。
21日午後、市川市のJR本八幡駅近くのビルにある薗浦氏の事務所は明かりが消え、ノックをしても扉は固く閉じたままだった。
近くで商売をしている女性は「ほとんど顔を見たことがない。特に悪いうわさもなかった」とあまり印象に残っていない様子。一方で「地元の人にとっては、応援してきた政治家がやっと伸びてきたのに、もったいない」とも語った。
薗浦氏は今回の疑惑について当初、自身の関与を否定していた。ある市川市議は「すぐに分かるうそをつくなど感覚がまひしていたのではないか。首相補佐官など政権中枢にいたこともあり、おごりがあったように思う」と突き放した。
同市議会で自民党会派の代表を務め、薗浦氏を支えてきた中山幸紀市議(72)は「薗浦さんは普段からお金に汚いということはなかったので、ショックは大きい」と肩を落とす。後任を決める補選で自民党が候補を擁立した場合、落選しても支部長として残る可能性がある。「薗浦さんは居場所がなくなるかもしれない。これから大変だ」と話す。
総務省によると、千葉5区の補選は早ければ2023年4月23日に実施される。各党は統一地方選の準備と並行し、補選の候補者選定などの対応に迫られそうだ。【石塚孝志、石川勝義】