福島県会津若松市の猪苗代湖で2020年9月、モーターボートに衝突された男児ら3人が死傷した事故を巡り、業務上過失致死傷罪に問われた元会社社長・佐藤剛被告(45)の第6回公判が12月12日、福島地方裁判所で開かれた。
「この日行われたのは、亡くなった豊田瑛大(えいた)君(当時8)の母親・A子さんの証人尋問。自身も両脚を切断し、義足生活を送るA子さんは『ボートに巻き込まれた直後に振り返ると、一瞬で死んでしまったのが分かった。抱きたかったが、全く体が動かなかった』と証言した。入院中で葬儀にも参加できず、『最後に柔らかかった肌を触りたかった……』と声を詰まらせていました」(社会部記者)
そのA子さんは、瑛大君の一周忌にあたる昨年9月6日、〈1人でも多くの方に生前の瑛大を知っていただきたい〉という想いから、ブログをスタートしていた。9月11日には納骨を終えたことを報告。〈お墓には1番最後に入るはずだった瑛大が1番最初で、瑛大の名前しか刻まれてないのを見ると寂しくないのかなと本当に辛くて辛くて苦しいです〉と胸中を明かした。
佐藤被告が逮捕されたのは、9月14日。A子さんはこの日、〈本当に良かった。と思う一方で、それでも瑛大は戻ってきてくれないと深い悲しみに襲われました〉と綴っていた。
〈瑛大に会いたいよ~泣泣って毎日思いますが…〉
ブログではスノーボードやサッカーを楽しむ姿、ソファで寝てしまった場面など、瑛大君の在りし日の写真を投稿。「鬼滅の刃」も大好きで、事故前には映画を観に行く約束をしていたという。それだけに〈あるキャラクターの真似をよくしていて、先日テレビで放送されたときにそのセリフのシーンが流れて、涙が出ました〉(9月25日)。
昨年の大晦日。A子さんは想い出の品の整理に取り掛かったものの、〈まだ何も捨てることはできませんでした。パンツや靴下、1枚1枚すべて思い出の品です。さすがに瑛大の匂いは消えてしまいました。その時の気持ちで遺品は整理していこうと思います〉。
それでも、今年に入ると〈瑛大に会いたいよ~泣泣って毎日思いますが、笑っていたいです〉(2月6日)と記すなど、少しずつ前を向こうとしていた。
以降も月命日には欠かさず、ブログを更新してきたが、三回忌翌日の今年9月7日、A子さんはブログ更新に一旦区切りをつける。最後の投稿は周囲への感謝の言葉に加え、こう締め括られていた。
〈瑛大が「お母さんの笑った顔好きー」とよく言ってくれていたので、瑛大の好きだったお母さんであり続けたいと思います〉
天国から瑛大君が見守っている。
(「週刊文春」編集部/週刊文春 2022年12月29日号)