容疑者の素顔は… 昔は両親らと仲良く過ごす姿も 埼玉3人殺害

「言いたくありません」。埼玉県飯能市の住宅で夫妻と長女の計3人が殺害された事件で、埼玉県警に殺人未遂容疑で逮捕された斎藤淳容疑者(40)は供述を拒んでいるという。斎藤容疑者はどんな人物だったのか。
斎藤容疑者の自宅近くに住む70代女性は、いつも1人で静かに歩いている姿が印象に残っているという。「結婚せず、働いている様子もなかった」と話す。
以前は両親や祖母らと暮らしており、大きい犬を2匹飼って仲が良さそうに見えた。しかし、その後、斎藤容疑者の自宅はだれも住まなくなり、数年前に斎藤容疑者が1人で戻ってきたという。「スーパーの袋を持って出入りをするのをたまに見かけた。1人で生活しているうちに心が曲がってしまったのかな」
映画監督の男性によると、斎藤容疑者は映画製作に取り組んでいたこともあった。当時、新人育成のための映画祭でディレクターを務めていた男性は、斎藤容疑者が「監督として映画祭の助成対象に選ばれていた」と振り返る。
斎藤容疑者が手がけたのは、HIVの感染者を主人公にした「ギフト」と題する作品だった。だが、編集中に音信不通になり、映画は完成しなかった。男性は話し合いのために飯能市の斎藤容疑者の自宅を2度訪問。「印象は穏やかだった」という。事件を受け「15年前で記憶もあいまいだが、びっくりした」と驚きを隠さなかった。
別の70代女性は子どものころの斎藤容疑者を覚えていた。「きちょうめんであいさつもちゃんとできる子。サッカーもしていて格好よかった」と振り返る。最後に会ったのは1年半くらい前という。「事件を起こしそうな雰囲気は感じなかった。自治会費だって封筒に入れて持ってきてくれた」と話した。
事件では、米国籍のビショップ・ウィリアム・ロス・ジュニアさん(69)とその妻の森田泉さん(68)ら3人が亡くなった。
ビショップさん本人のものとみられるホームページやSNS(ネット交流サービス)によると、ビショップさんは米サウスダコタ州生まれ。1974年から40年以上、日本を含むアジアに移り住み、コンサルティング会社などに勤めていた。小説も数冊執筆しているという。
近所に住む主婦の女性(38)はビショップさんについて「独特なイントネーションだったが日本語は流ちょうだった。本人は『作家をしていた。本も出していて、私の名前を調べれば出てくる』と言っていた。気さくで、優しく、穏やかな人だった。トラブルは聞いたことがない」と話した。
近くに住む女性は夫妻について「道で会ったとき、2人とも気さくな感じで笑顔であいさつしていた。恨みを買うような人には見えなかった」と振り返り、別の住民は「奥さんはすてきな方だった」と話した。【成澤隼人、小林多美子、志村一也、小林遥、春増翔太】