心の病で休職の公立校教員が過去最多 背景に長時間労働など

2021年度に「心の病」で1カ月以上休んだ公立学校の教員が前年度比15・2%増の1万944人となり、初めて1万人を超えたことが26日、文部科学省の人事行政状況調査で明らかになった。全教員に占める割合も1・19%で過去最高だった。文科省は慢性化する学校現場の長時間労働や、若手教員への負担が増加の背景にあるとみている。
調査対象は、全国の公立小中学校、高校、特別支援学校などの全教員約91万9900人。「うつ病」など精神疾患が原因で1カ月以上の長期療養をした教員は、前年度より1448人増えた。16年度に「1カ月以上の長期療養者」を調べ始めてから増加傾向にある。
1万944人のうち、「病気休暇」を取れる上限の原則90日を超え、休職したのは5897人(前年度比694人増)で過去最多を記録。全教員に占める割合も0・64%と最も高かった。07年度以降、精神疾患の休職者は5000人前後で高止まりを続けていた。
文科省が16年度に実施した調査では、公立小学校で約3割、公立中学校で約6割の教員が「過労死ライン」とされる月80時間以上の残業をしていた。長時間労働の是正は途上にあり、同省は、一部の教員に業務の負担が集中し、「心の病」による休職などにつながった可能性があるとする。
調査では、参考値として精神疾患で病気休暇を取ったり、休職したりした教員の年代ごとの割合を示しており、20代が1・87%、30代が1・36%、40代が1・27%、50代以上が0・92%で、若いほど高くなっている。全年代で前年度より増加しており、20代の増え幅は0・43ポイントで最も大きい。
学校では、第2次ベビーブームの影響で1980年代に大量採用された公立校教員が大量退職の時期を迎えている。一方、00年前後に少子化の進行を見据えて採用数を抑えたため、若い世代の教員を指導する30代半ばから40代半ばの中堅教員が不足している。
文科省は「特に20~30代で休職者が増える傾向が強い。中堅教員が少ない自治体が多いために若手が気軽に相談できる相手が少なく、学校内で若手へのサポートも薄いことが考えられる。働き方改革を進めて教員の負担を減らし、相談しやすい環境を整備したい」としている。【深津誠】