「言いたくありません」
調べに対し、一瞬にして3人を殺害した凶悪犯は供述を拒んでいるという。
埼玉県飯能市の住宅で25日午前7時、米国籍の無職、ビショップ・ウィリアム・ロス・ジュニアさん(69)と妻の森田泉さん(68)、東京都渋谷区の会社員、森田ソフィアナ恵さん(32)が鈍器で撲殺された事件。クリスマスの朝を迎えた閑静な住宅街に、パトカーや消防車のサイレンの音がけたたましく鳴り響いた。
殺人未遂容疑で逮捕された無職の斎藤淳容疑者(40)は、家族3人に次々と襲い掛かり、殺害後、2階に上がって火を放った。犯行後、平然とした様子でその場から立ち去り、約60メートル離れた同じ町内の自宅に戻り、警察に発見されるまで約15時間、自宅2階の部屋に隠れていた。
「殺害された夫婦と娘は、いずれも屋外で倒れていました。逃げようとしたが逃げ切れなかったようです。3人はいずれも頭部や首付近など複数の傷を負い、立て続けに殺害されたことから、相当、強い殺意を抱いていたと思われます」(捜査事情通)
ソフィアナさんはその日、神宮前の自宅からたまたま実家に戻っていた。
斎藤容疑者は昨年8月、ビショップさんが所有する外国製の高級車を傷つけ、器物損壊容疑で逮捕され、その後、不起訴処分になった。
■計画的犯行か
「右側フェンダーからトランクまでドライバーのようなもので深くえぐられたような傷があった。修理代は100万円ほどかかり、事件後、ビショップさんは防犯カメラと光センサーを設置し、近所の人にも注意を呼びかけていた。状況からしても計画的犯行とみられたが、犯人の写真を見せられても、知らない顔だったそうです。犯人とは示談が成立したようです」(近隣住民)
事件現場となったニュータウンは1989年に分譲を開始。殺害された夫婦は6年ほど前に都内から引っ越してきて、斎藤容疑者は敷地面積約220平方メートルの一軒家に1人で暮らしていた。事前に犯行を計画していたのか、自宅からはオノや鈍器が見つかっている。
「お姉さんか奥さんなのかは知りませんが、もともと女性と2人暮らしをしていて、女性が出ていったようです。ゴミ出しの時に会えば、『おはようございます』とちゃんと挨拶をするし、悪い印象は受けませんでした。ガレージに自動車が止めてありましたが、ほとんど車で出かけたところは見たことありません。日中も家にいたようで、何をして生活費を稼いでいたのか不思議に思っていました。被害者の家と近所とはいえ、うちも斎藤さん宅と同様、一本、道を隔てています。この辺りは同じ道路に接していない限り、お付き合いはありません。コロナの影響で住民が触れ合うようなイベントもなく、被害に遭った方との接点は何だったのかと不思議に思っていました」(別の近隣住民)
極刑は免れないだろうが、そこまでして3人を殺害し、火まで放った動機は何だったのだろうか。