参院選の選挙期間中の7月8日、安倍晋三元首相(享年67)が凶弾に倒れてから5か月が過ぎた。第2次安倍政権で歴代最長となる7年8か月間、支えた菅義偉前首相(74)がスポーツ報知のインタビューに応じ、亡き盟友への思いを語った。来年に向け、さまざまな政策を引き継ぎ、“安倍魂”を継承していく覚悟を示した。(久保 阿礼)
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憲政史上最長となった第2次安倍政権で7年8か月もの間、官房長官として支えた菅氏は、亡き盟友について淡々と語り出した。
「当選2回(2000年)の時からのお付き合いでした。最初に安倍さんと会った時に『この人は、いつか総理大臣になる人なのだろうな』と。お亡くなりになってからは、安倍さんは私の憧れだったと改めて実感しました」
激動の年だった。国際情勢を眺めれば、ロシアによるウクライナ侵攻が始まり、北朝鮮や中国による軍事行動も活発化した。菅氏は、安倍政権で実現した安全保障法制の意義や外交についてこう語る。
「(政権)支持率が下がると分かっていながら、『あの法案がなければ、国民に対する責任を果たせない』という思いで取り組みました。外交面を見ても、『自由で開かれたインド太平洋』というビジョンを具体化すべく、環太平洋経済連携協定(TPP)や日欧経済協力なども進められました。ここまで、先頭に立って作っていくという政治家は今までいなかったのではないでしょうか。安倍さんは戦後日本で、重要な安全保障政策の骨格を作った、と思っています」
来春には統一地方選を控える。東京への一極集中、地方の過疎化が進む中、地方創生は今後も重要なビジョンのひとつと位置づける。
「ひとつはふるさと納税です。(開始した)2008年は81億円ぐらいでした。しばらく100億円台で推移していましたが、第2次安倍政権でさまざまな改革をして、今年は8300億円くらいです。地方の農林水産品を中心に、ひとつの大きなうねりをもたらすことができたと思います」
「次に、農産品の輸出です。2025年に2兆円という目標を掲げていましたが、今年は10月の段階で1兆円を超えました。日本の農水産品は海外で高い値段で売れるので、値崩れを防ぐという声もあります」
「3つ目はインバウンドです。836万人(12年)から、3200万人(コロナ前の19年)になり、地方の地価が27年ぶりに上がりました。30年には訪日客6000万人の目標を掲げていますが、到達は不可能ではありません。東京は人口が多く、富裕層もいて購買力は高いのですが、東京圏の消費額は全国の3割にすぎません。地方を元気にすることが大切でしょう」
政策の実現に全力を尽くす「仕事師」と言われてきた。岸田政権は支持率が低下傾向にあるが、政権運営において大切なことは変わらないと強調する。
「自民党は衆参選挙で勝っていますから。選挙の際に約束した政策をきちっと動かしていくことが大事だと思います」