堺4人死傷ひき逃げ 逮捕の容疑者「立ち去ったが人はねた認識ない」

堺市中区の市道で27日深夜、防犯パトロール中だった男性4人が死傷したひき逃げ事件で、大阪府警は29日未明、逃走車を運転していた近くの建設作業員、猪木康之容疑者(49)を自動車運転処罰法違反(過失致死傷)と道交法違反(ひき逃げ)の疑いで逮捕したと発表した。猪木容疑者宅の駐車場から、サイドミラーや車体前部が破損した黒色の乗用車を押収した。
猪木容疑者は「事故をして立ち去ったのは確かですが、人をはねた認識はなかったのでひき逃げと思っていません」と容疑を一部否認しているという。府警は現場を離れた経緯や当時の詳しい状況を調べている。
逮捕容疑は27日午後11時55分ごろ、堺市中区小阪の直線道路(片側1車線、幅約6メートル)で車を運転中、左側の路肩を歩いていた男性8人の列に後方から突っ込んだにもかかわらず、救護措置を取らずに現場から逃走したとしている。大阪市職員の山中正規(まさのり)さん(46)と内装業の村上伸治さん(47)が死亡、46歳と48歳の男性も軽傷を負った。
地元の町内会によると、8人は4日間の日程で実施される見回り活動にボランティアで参加し、詰め所の公民館を出発した直後に事件に巻き込まれた。深夜から未明にかけて住民に防犯や火の用心を呼び掛ける歳末恒例の行事で、27日が初日だった。
府警中堺署によると、事件当時の目撃情報から黒色の車が南に向かって逃げたことが確認され、近くに壊れたサイドミラーの一部が残されていた。周辺に設置された複数の防犯カメラ映像から逃走ルートをたどる「リレー捜査」を実施した結果、現場から南西に約700メートル離れた猪木容疑者の自宅駐車場で逃走車に酷似したスポーツタイプ多目的車(SUV)を発見した。
府警がこの車両を確認したところ、左側のサイドミラーや車体前部が激しく壊れていた。現場で見つかったサイドミラーの破損部分と一致したことから、車の所有者だった猪木容疑者に任意同行を求めて事情を聴いていた。【木島諒子、砂押健太】