中国念頭、南西地域防衛強化も 鹿児島・馬毛島で自衛隊基地着工

「南西地域における自衛隊の訓練施設、緊急時の活動場所を整備することは、わが国の防衛上、極めて重要な課題」――。馬毛島の自衛隊基地建設計画について、防衛省は12日に公告した環境影響評価書で強調する。政府は中国の軍事力強化を念頭に沖縄、鹿児島両県の南西諸島で自衛隊配備を進めており、馬毛島はその一環でもある。
計画では2本の滑走路(約2450メートルと約1830メートル)などを整備。滑走路では米空母艦載機部隊のFCLPを年1~2回(1回当たり10日程度)実施する。FCLPは現在、東京都の硫黄島で暫定的に実施されているが、艦載機部隊の拠点の岩国基地(山口県岩国市)から遠く、恒久的な施設確保が日米の懸案だった。
新基地は自衛隊にとっても重要な施設になる。防衛省は最新鋭戦闘機F35Bの発着訓練など自衛隊機による活用を見込む他、離島防衛を想定した水陸両用車の上陸訓練なども実施予定。「現時点で自衛隊機を常時配備する計画はない」とするが、有事の際は「島しょ部に対する攻撃への対処のための活動場所」になる。
南西諸島で防衛力強化を進めてきた政府は、2019年に開設した鹿児島県・奄美大島と沖縄県・宮古島の陸自駐屯地に対空、対艦ミサイル部隊を配備。沖縄県では石垣島の陸自駐屯地(23年3月開設予定)や、台湾から約110キロの日本最西端・与那国島の陸自駐屯地(16年開設)にもミサイル部隊を配備する計画がある。22年11月には鹿児島県・徳之島など南西諸島各地で、米軍と自衛隊の大規模共同演習も実施された。【遠藤孝康】