バイオマス発電所火災、鎮火めど立たず 異臭発生、出初式中止に 千葉

千葉県袖ケ浦市のコンビナート地区にある「袖ケ浦バイオマス発電所」(同市北袖)のサイロ内で、元日に発生した火災の収束のめどが立っていない。市内ではこの影響による異臭が発生し、市役所には発生から半月で200件超の苦情や問い合わせが寄せられた。15日には市消防本部の出初式が中止に追い込まれた。
× ×
発電所は、大阪ガス(大阪市)のグループ会社「Daigasガスアンドパワーソリューション」が運営。来月に営業運転を開始する予定だったが、遅れる見通しだという。
大阪ガス広報部によると、昨年2月から試運転を開始しており、保有する燃料サイロは一昨年12月から稼働。4基(A1、B1、A2、B2)のサイロのうち元日にA1から白煙が上がり、異臭が発生。消火作業を行っている中、4日にはB1でも白煙や異臭が発生。こうした事態は今回が初めてという。
原因は調査中だが、サイロ内に保管していたバイオマス燃料の木質ペレットが自然発酵し蓄熱したことが原因ではないかと考えられるという。異臭もそれに伴って発生したとみられる。燃焼を防ぐためのサイロ内への窒素注入は現在も行われている。
× ×
市消防本部総務課によると、サイロには2日でA1に6回、6日までにB1に9回散水した。現在は指揮隊と4人で構成される消防隊が1隊現場に残り、有毒ガスなどの環境調査をしている。鎮火を確定するには1サイロに1万トン弱入っている木質ペレットをすべて取り出して火種がないことを確認する必要があり、かなりの時間を要するという。そのため、消防本部は「火災が現在も継続し、鎮火のめどが立っていない」と、15日の出初式を中止にした。新型コロナウイルスの影響で3年ぶりの開催となる予定だった。
× ×
市民が気にしているのは異臭だ。Daigasガスアンドパワーソリューションはホームページで異臭について「健康への影響は見られないという評価をいただいています」などと説明している。
市民によると、異臭は発生当初よりは収まったが、風向きによっては焼けたような臭いが広がることもある。記者は16日、撮影のために訪れた発電所近くで温泉の硫黄や薫製のような臭いを感じた。
「当初は窓をしめていてもスモークの臭いがすごかった。今は窓をしめれば大丈夫だが、洗濯物はまだ外で干さない」(60代女性)、「今でも洗濯物が干せないから大変と家族は話している」(高校3年の女子生徒)
市民に話を聞くと、臭いが洗濯物につく可能性があるため、外干しができないことに困っていた。
市への200件超の苦情や問い合わせも「なぜ臭いがするのか」「いつ収束するのか」など、異臭に関するものがほとんどという。(前島沙紀)