大手自動車メーカーのエアバッグの偽造品を販売したなどとして、中古車販売社員でパキスタン国籍のイスラール・ミアン・アリ容疑者(36)=群馬県伊勢崎市=ら4人が商標法違反容疑で逮捕された事件で、群馬県内の関係先から偽造品とみられるエアバッグ300個が押収されたことが警視庁生活経済課への取材で分かった。トヨタなど少なくとも国内9社の大手メーカーのものを模したとみられるエンブレムが付いており、純正品を装って販売していた疑いがある。
同課によると、26日にイスラール容疑者の会社の倉庫兼作業場を捜索したところ、偽造品とみられるエアバッグ約300個や、エアバッグを製造するためのパーツ約3000個が見つかった。押収物の中には、スズキやスバル、マツダなど少なくとも9社のエンブレムに似せたものがあった。
メーカー側がイスラール容疑者らが販売していた偽造品を調べたところ、エアバッグが開く際に部品が飛び散ったり、正常に動かなかったりするなどの危険性が確認された。これらの偽造品は事故や故障車などの修理に使われている恐れもあり、同課は購入者についても確認を進め、メーカーと協力しながら情報提供などを行う。【高井瞳】