「きれいな笑顔を見せたい」、そうした思いは無残にも裏切られました。1月26日、歯科矯正をめぐり、原告153人が集団提訴をしました。 (原告 1月26日) 「イーっと口を開けた時に、上あごが左にずれて下あごが右にずれています。このような状態ですので、食べ物を噛むときもしっかりと噛むことはできませんし、借金も残ったまま健康被害も残り、この先どうしていいか分からない状態です」 原告らが訴えを起こした相手は、東京・京都・福岡に歯科クリニックを展開する「DentalOfficeX」や、その運営法人・経営陣・医師などです。訴状などによりますと、原告らはDentalOfficeX側から「モニターとしてSNSでの宣伝などに協力すれば報酬を支払うので実質治療費が無料になる」と勧誘を受けました。しかし、去年3月からモニター報酬は支払われない状態に。原告の多くは、信販会社とローン契約を結んだ上でクリニックと施術契約をしていたといい、多額の借金だけが残る状況となっています。 (原告 1月26日) 「187万円のローンを組まされています。残りが150万円という状況です。本当に許せないです」 さらに、多くの原告に噛み合わせが悪くなったり痛みが生じたりするなどの健康被害が続出。奥歯を抜かれたままマウスピースが届かず放置されたままの人も複数います。しかし、各クリニックは突如閉院状態になり、すでに退去作業が行われている所までありました。京都市下京区にある医院も受付には誰もおらず、診療を行っている様子はありませんでした。 (原告 1月30日) 「治療するにあたって『まずはローンを組んでください。信販会社ならこのあたり、銀行ならここで』という形でいくつか指定されて、『どれを選びますか』という感じで。今思えばそこでちょっと怪しむべきでしたね」 会見にも出席した原告。半年間、通院する中でクリニック側から突如送られてきたという通知書には、報酬が支払えない理由は「ウクライナ情勢で海外口座から送金できないから」と記されていました。 (原告 1月30日) 「なぜ海外にお金があるんだと不思議で、何を言っているんだという感じでしたけど。治療も途中で終わらされていて、本当に毎日お金のことを考えなければいけなかったり、食べる度に鏡を見る度に自分の歯を見てすごく嫌な気持ちになったりしているので」 一方、DentalOfficeX側は「当社が関与・関知しているモニターモデル契約については、責任を持って支払いをしていく所存です」「当社の関与に疑義がある契約に関しては内容を検討した上で対応したい」としています。