大阪府、コロナ12事業を廃止・縮小 無料検査補助など3月末までに

大阪府は31日、新型コロナウイルスの対策本部会議を開き、無料検査をしている事業者への補助を終了させるなど新型コロナ関連の12事業を3月末までに廃止・縮小することを決めた。府には30程度の関連事業があり、残る事業は新型コロナの感染症法上の分類が「5類」に移行する5月8日まで続ける方針。
見直す12事業のうち、廃止は11事業。無症状者を対象とする無料検査は、薬局などで検査キットが容易に入手できることを理由に補助をやめる。また、重症患者のみを受け入れてきた臨時医療施設「大阪コロナ重症センター」(現在は大阪市内の病院敷地に30床)も、重症化率や死亡率が低下しているため運営を終えることになった。
このほか、府民らの寄付を基に医療従事者らに応援金を配る「助け合い基金」も廃止する。これまでに約45億円が集まり、約5万人に支給した。5類になれば、コロナ患者を受け入れる医療機関の制限がなくなるため、特定の医療従事者を対象とした支援制度は見直すという。また、感染者の行動制限の緩和が進んだことから、自宅療養者に食料品を届ける簡易配食サービスも終了。ワクチン大規模接種会場の設置や運営も、予約に多くの空きがあるため廃止する。
縮小するのは1事業。軽症者を受け入れる宿泊療養施設の確保・運営で、現在の「第8波」では使用率が最大で30%程度にとどまっている。2月以降は確保室数を約8000室から段階的に約5000室まで減らす。
この日の対策本部会議では、感染状況を示す府の独自基準「大阪モデル」について、現在の「赤信号」(非常事態)を「黄信号」(警戒)に引き下げることも決めた。病床使用率が改善しているためで、赤信号でなくなるのは約1カ月ぶり。これまで大阪モデルの引き上げや引き下げのたびに行われてきた太陽の塔などのライトアップは今回から実施しない。大阪モデルも5類移行に伴って廃止される見通しだ。
吉村洋文知事は会議後、記者団に「オミクロン株が主流となり、病態が変わっている。代替措置が十分ある事業は役割を果たしたと考え、終了の判断をした」と説明。「ウイルスは存在し、インフルエンザもはやっている。一人一人の基本的な感染対策をお願いしたい」と話した。【澤俊太郎】