淀川ベトナム女性殺害、60歳被告に無期懲役求刑 2月3日判決

大阪市淀川区の2階建て住宅で2022年4月、階下の弁当店で働くベトナム国籍の女性(当時31歳)が殺害された事件で、強盗殺人や死体遺棄などの罪に問われた住人の元トラック運転手、山口利家(としや)被告(60)の裁判員裁判が31日、大阪地裁(中川綾子裁判長)であり、検察側は無期懲役を求刑した。判決は2月3日に言い渡される。
起訴状などによると、山口被告は22年4月3日朝、出勤したベトナム国籍のヴォ・ティ・レ・クインさんを自宅に誘い込み、背後から首を絞めて殺害。現金約2万6000円を奪ったほか、遺体を室内に隠したとしている。
山口被告は初公判で「最初から殺す目的やお金を奪う目的で誘っていない」と述べ、起訴内容のうち強盗殺人罪を否認。弁護側は傷害致死と窃盗罪の適用を求めており、強盗殺人罪が成立するかどうかが争点になる。
検察側は冒頭陳述で、山口被告は21年11月ごろから給料が減って生活に困窮し、クインさんに「店長から言われているので、貴重品を持ってきて」とうそを言って自宅に誘い込んだと説明。金品を要求したが、抵抗されたことから殺害や金品の強奪を決意したとした。
山口被告は被告人質問で、「(クインさんに)金を貸してほしいと伝えたら大声を上げられた。とっさに首に腕を回して2~3分絞めたが、気絶させるためだった」と述べた。【安元久美子】