沖縄県石垣市の中山義隆市長は31日、記者会見し、29~30日に実施した尖閣諸島と周辺海域の環境調査の概要を説明した。
中山市長は、同諸島最大の魚釣島で外来のヤギの食害により山肌の崩落が進んでいることを確認したと明らかにし、「危機的な状況で早急に上陸調査をしたい。国の許可さえ出ればいつでも行ける。国も調査に参加してほしい」と述べ、政府の積極的な関与を求めた。
会見では、今回初めて実施した小型無人機「ドローン」による空撮の映像も公開された。映像には、近くで操業中の日本漁船を追って領海侵入した中国海警局の船が、漁船に対して不当に退去を求める無線の音声も含まれていた。
中山市長は海警船の領海侵入について、沿岸国の平和や安全、秩序を害さない限り、他国領海を航行できる国連海洋法条約上の「無害通航権」に言及し、「それ以上の状況だ。国には、 毅然 (きぜん)と対応してしっかりと守ってほしい」と注文を付けた。