一連の事件のうち、昨年5月に大阪市内で起きた強盗致傷事件などで逮捕・起訴され、1審で実刑判決を受けた元専門学校生の男(21)(大阪府豊中市)が30日、勾留先の大阪拘置所で取材に応じた。ツイッターで<闇バイト募集中>の投稿を見つけて応じたとし、「興味本位だった」と語った。
事件は昨年5月15日夜、大阪市浪速区のパチンコ店前で発生。店員が催涙スプレーをかけられ約100万円入りのバッグを奪われそうになった。元専門学校生は実行犯の一人として府警に昨年6月、逮捕された。
元専門学校生によると、闇バイトに応じたのは募集中の書き込みに「いいね」を押したのがきっかけ。秘匿性の高い通信アプリ「テレグラム」でやり取りするよう求められ、運転免許証の写真を送信したという。仕事内容は「ドライバー」で、それ以上の説明はなかったが、事件前日に指定された場所に行くと、初対面の男(21)(起訴)からバッグを奪うよう命じられ、ともに実行した。「住所がばれているので何をされるかわからず、怖くて断れなかった」と語った。
府警はこの事件で、元専門学校生のほか、バッグを奪うよう命じた男と、別の連れ去り事件にも関与したとされる伊藤一輝被告(29)(起訴)の計3人を逮捕。伊藤被告は京都や滋賀も含む関西3府県で起きた事件のリーダー格で、一連の事件の指示役「ルフィ」らと連絡を取り合っていたとみられる。
元専門学校生は今月16日、1審・大阪地裁で懲役5年6月の実刑判決(求刑・懲役7年6月)が言い渡され、控訴した。逮捕後、通っていた学校の退学を余儀なくされたという。「ルフィの名前は(拘置所で)新聞を読んで初めて知った。(ほかのメンバーも)軽い気持ちでやっていると思う」と話した。