ツーブロ、ポニテ禁止などの“非合理”校則全廃へ 福岡市の中学

福岡市教育委員会は1日、市立中69校(夜間中を除く)で、髪形のツーブロックやポニーテールの禁止規定など合理的説明ができない校則が2023年度にも全廃される見通しとなったと発表した。各校は21年7月から、生徒や保護者らでつくる校則検討委員会で見直し作業を進めていた。今後も毎年、各校の同委員会で検討する。
全廃されるのは他に、制服の男女別規定、アンダーウエア用Tシャツの単色指定、頭髪規定の男女別規定。男女別規定について市教委は「性別で区別する合理的理由がない」などと判断しているという。今年度中に各校のホームページで誰でも各校則を閲覧できるようにする。一方、各校で異なる眉や靴下の色などの規定は今後も検討を続ける。
市立中学校校長会は21年7月に策定した見直しの指針で留意点として、「生徒の人権の尊重」「健康上の配慮」「社会の常識や時代の進展などを踏まえたもの」の3点を挙げた。22年4月から見直された校則の運用が始まった。
市教委中学校教育課は「もっと子供たちが自由を求めていると思っていたが、各学校の見直し状況を見ると子供たちの方が堅実だ。子供の声を聞き、自分たちで作ったルールを自分たちで守る主権者教育が大切と感じた」としている。【野間口陽】