運転中の1月30日に自動停止した関西電力高浜原発4号機(福井県高浜町、出力87万キロワット)について、原子力規制委員会は1日、原子炉の出力を制御する制御棒の駆動装置の電源を点検のために切り、その数十秒後に自動停止していたと発表した。これに先だって駆動装置の故障を示す警報が3回出ていたという。記者会見で山中伸介委員長は自動停止の原因について「制御棒に関係する不具合ではないか」と見解を述べた。
関電からの報告内容が規制委の会合で公表された。それによると、1月25日と29日に駆動装置の故障を示す警報が1回ずつ出たが、いずれも異常は見つからなかった。しかし30日午前0時12分に3回目の警報が出て、調べると、制御棒が動かないように電磁力で保持している爪2カ所のうち1カ所の電流の数値が、通常より低いことが確認された。
その後、点検するため同日午後3時21分、異常がない方の爪を保持したまま駆動装置の電源を切ったところ、数十秒後に原子炉内の中性子が急速に減少したことを示す別の警報が出て、運転が自動停止したという。
山中委員長は「原因がハード、ソフト、ヒューマンエラーなのかは、これからの(関電の)原因究明を待ちたい」と話した。【土谷純一】