福島県いわき市勿来町窪田町通の住宅で、住人の無職小松ヤス子さん(85)が殺害された強盗殺人事件で、遺体が発見された3日の正午頃、自宅に向かって歩く小松さんの姿が付近の防犯カメラに映っていたことが5日、県警への取材でわかった。小松さんの遺体は発見された3日午後7時頃、既に死後硬直が始まり、死亡から数時間が経過した状態だったことから、県警は同日午後の明るい時間帯に殺害されたとみている。
小松さんは、自宅1階の廊下で頭から血を流して倒れた状態で発見された。後頭部付近の頭蓋骨が折れており、硬くて重い鈍器のようなもので複数回殴られたとみられる。
救急隊が駆けつけた際、小松さんの体は既に死後硬直が始まり、その場で死亡が確認された。死亡後に死後硬直が始まるまで、一般的には2時間程度かかるとされるため、県警は、防犯カメラで姿が確認された正午頃から夕方までに殺害されたとみている。
近所の住民によると、一人暮らしだった小松さんは、不動産を複数所有するなど資産があったことから、防犯を意識して戸締まりをきちんとするタイプだったという。だが、遺体発見時は玄関と勝手口の鍵が開いた状態で、犯人はいずれかから侵入して逃走したとみられている。
小松さん宅の周辺では5日、捜査員約30人が川や民家の庭、道路の側溝などを長い棒を使って捜索し、凶器などの遺留物の捜索にあたった。県警は引き続き、現場付近の防犯カメラの解析などを進め、不審な人物の割り出しを進めている。