「セクシー」発言の小泉進次郎氏 「何か言ってそうで何も言ってない話法」生みの親とは?

ああ、小泉進次郎先生の面白さが遂にバレ始めた。
「熱い迷言? 小泉節 よく聞くと意味不明…/『言いそうなこと』盛り上がるネット」(東京新聞9月23日)
《父親譲りの熱のこもった演説で知られる小泉進次郎環境相だが、よく聞くと意味が通らない発言が目立つとツイッター上で話題になっている。》
きっかけは福島の汚染土の最終処分場について問われた際に「三十年後の自分は何歳か、発災直後から考えていた。健康でいられたら(県民との)その三十年後の約束を守れるかどうかの節目を見届けることができる政治家だと思う」と答えたこと。これが「小泉ポエム」としてブレイクした。
そのあとツイッターでは、
《「赤を上げて、白を下げないとどうなると思いますか?そう、赤と白が、上がるんです」といった小泉氏が「言いそうなこと」を想像した投稿が相次ぎ、面白さを競い合う「大喜利」状態だ。》(東京・同)
ネットの話題を早めに取り上げるのは東京新聞や毎日新聞が得意としている。実はこれは非常に重要な仕事だと思う。世の中にはSNSには関心がなく新聞だけを読む人もいるからだ。いや、まだまだ多数のはず。そういう読者にネットの話題も知ってもらうのは意義がある。
私は 以前 に「ほんとうは怖い小泉進次郎説」を唱えたことがある。
全国のおじちゃん、おばちゃんのもとへ行き「ネット圏外」で絶大な支持を集めていた進次郎。ふわっとした民意をつかむのは最強。各紙世論調査の「次の首相にふさわしい人、期待する人」では今もトップの進次郎。

しかし実際に彼が何を考え、どんな価値観を持っているか多くの国民は具体的に知らない。政策をまとめた本も出版していない。首相候補では異例だ。
そういう人がいつの間にか権力の座につき、急に何かやりだしたら「怖い」ではないか。だから「ほんとうは怖い小泉進次郎」なのである。
これまで小泉進次郎は何かと闘ってきた。何と闘ってきたかは知らない。本人も覚えていない可能性もある。「その場その場でウケそうなことを上手に言う」という闘いだったかもしれないから。
今回こういう「実はよくわからない人」が大臣になったことで、やっと可視化され始めたことになる。本当はどういう人か私たちもやっと吟味できる。萩生田光一先生の入閣と並んでやはりめでたいことなのだ。
環境大臣となった小泉進次郎はニューヨークへ乗り込んだ。
「環境関連会議で国際デビュー 小泉氏 具体政策に課題」(産経新聞9月23日)
前半の見出しはカッコいいが後半の「具体政策に課題」に目がいってしまう。
《小泉氏は11日の就任後、東日本大震災や台風の被災地に駆けつける行動力を示す一方、具体的な政策の打ち出しは現段階では乏しく、実行力には不安を残したままだ。》
朝日でも毎日でもなく産経にハッキリと書かれる小泉進次郎先生。
産経は「期待される新閣僚」調査ではトップだと紹介しつつ、

《ただ、肝心の環境政策では疑問符がつく。NHK番組で「大量生産、大量消費、大量廃棄。この今の社会を転換していく社会変革の担当だとの思いだ」と述べたが、従来の廃プラスチック削減の目標値を繰り返す程度だった。》
「小泉ポエム」にダメ出しする産経師匠。締めは、
《小泉氏が武器とする高い発信力に見合う責任を果たせなければ、“人寄せパンダ”からの脱却はかなわない。》
ああ……。残酷だけど進次郎をめぐるメディアの「気候変動」にも注目なのである。
同じ日の毎日新聞は「気候行動サミット」開催にあたり国連のグテレス事務総長の各国への注文を載せた。「美しい演説ではなく具体的な計画」を持ってくるようにと。
ま、マズい……。具体的にって、なんでそんな進次郎が嫌がることを言うんだ事務総長。
思わず日本の予定はどうなってるか調べると「日本からは小泉進次郎環境相が出席するが、演説の機会はない」。
ホッとした。
なんでこっちが安心しなきゃいけないのだろう。
しかしこの日の共同会見では気候変動の取り組みに関し、例の小泉セクシー発言が飛び出したのである。
朝日新聞は《くだけた英語表現を多用し、小泉氏は米国内でも率直に自らの考えを発信したが、「セクシー」などの言い回しは物議を醸しそうだ。》と書いた。(朝日新聞デジタル9月23日)
「醸しそうだ」と評価を投げるズルい言い方だが、それよりセクシーな具体案は発信されていない。またしても中身がない。

しかし次の記事を読んでハッとしたのだ。NHKのWEB記事「 小泉環境相 温暖化サミット出席も具体策の発言なし 」(9月24日)である。
見出しは小泉環境相の具体策の無さを指しているが、次のくだり。
《一方、日本の安倍総理は出席せず、代わりに小泉環境大臣が出席しましたが、具体的な対策などについて発言する機会はありませんでした。》
《温暖化対策に積極的な国々と比較すると具体的な新しい内容に踏み込むことはほとんどなく、今後、日本としてどのように取り組んでいくのかが問われています。》
つまり、小泉環境相も何も考えてないがその前から政府も考えてない。
それならどうせ言葉に中身のない小泉進次郎を環境相にして国連に送りこもうという判断だったのだろうか。まさに「適材適所」である。
それにしても小泉進次郎の何か言ってそうで何も言ってない話法。既視感あると思ったら竹下登元首相の「言語明瞭、意味不明瞭」であった。
ただ、竹下氏は「示唆」や「おとぼけ」も含まれていたのに対し、小泉進次郎はガチで何も言ってない。行間を想像する楽しみは含まれていない。
よりによってオヤジ(小泉純一郎)が目の敵にした旧竹下派のトップに似てしまうってとんちんかんで面白い。
小泉進次郎という“不自然な大物”はどんどん可視化されて面白がられるべきだ。
それが健全だと思います。
(プチ鹿島)