ルフィ4人の〝完黙〟は不可能 「囚人のジレンマ」と最初に口割る容疑者の名前

各地で相次いだ広域強盗事件で「ルフィ」などと名乗り犯行を指示した疑いがあり、フィリピンから強制送還された渡辺優樹(38)、今村磨人(38)、藤田聖也(38)、小島智信(45)ら4容疑者は警視庁の取り調べに、どう対応するのか。現在、この4人は特殊詐欺容疑で逮捕されているが、もちろん警視庁の本丸は狛江市の強盗殺人事件での立件だ。強盗殺人罪は無期懲役か死刑の2択だけに、自白して少しでも罪を軽くしてもらおうと考える容疑者もいるに違いない。そこで〝完落ち〟する順番を専門家に聞いてみると――。
かつて闇サイトで集まった3人の男が強盗殺人を起こし、女性を殺害した事件があった。1審で2人が死刑、1人が無期懲役。無期懲役の理由は短期間で自首し、事件の全容を自白したことだった。
今回の事件も自白が重要な鍵となる。しかし、詐欺で逮捕された経験がある法曹関係者は「スマホを4人で使い回していたのなら、4人が完全黙秘すれば、何十件もあるどの事件のルフィが誰だったのか個別の特定ができないので、難しい裁判となります。フィリピンの入管施設ビクタン収容所から遠隔指示をして、実行役と直接の面識はないことも難しくさせています。強盗殺人の件にしても、ルフィの可能性がある4人を共謀共同正犯であることを証明するのは難易度が高いです。送還まで、口裏合わせの時間はたっぷりありました。強盗殺人容疑で再逮捕するハードルは高いでしょうね」と指摘する。
4人の誰が主犯格だったか、それとも4人で主犯だったのか。今後、ゲーム理論でいうところの「囚人のジレンマ」が行われるだろう。
囚人のジレンマとは、同一事件で2人が逮捕され、別々に取り調べを受ける際、「1人だけ自白すれば釈放され、黙秘した方は懲役6年」「2人とも自白したら、2人とも懲役3年」「2人とも黙秘したら、証拠不十分で2人とも懲役1年」と司法取引を持ちかけられるというゲームだ。普通に考えると、2人とも黙秘することが相互利益になる。しかし、疑心暗鬼および利己的な行動でどちらかが自白してしまう可能性がありそうならば、2人とも損をするにもかかわらず、互いに自白するのが最適解になってしまう。互いに協力して黙秘することが得だと分かっていても、裏切られて、その裏切り者が利益を得ることになる状況では、互いに協力しなくなるというジレンマだ。
渡辺、今村、藤田容疑者は同郷の同い年。小島容疑者は7歳年上。しかし、入管施設内で今村容疑者は他3容疑者と距離を置いていたという情報もある。また、フィリピン当局が「ビッグボス」と呼んでいたのは渡辺容疑者で、実際に入管施設では誰よりもいい待遇で過ごしていたと報じられている。