2021年3月、名古屋出入国在留管理局の施設で死亡したスリランカ人女性、ウィシュマ・サンダマリさん(当時33歳)を巡る訴訟で、名古屋地裁(佐野信裁判長)は15日、ウィシュマさんの収容中の様子を収めた監視カメラ映像を法廷で上映することを決めた。非公開の進行協議後に記者会見した遺族側代理人が明らかにした。上映の日程は3月中に再び協議する。
代理人によると、上映されるのは、ウィシュマさんが亡くなった21年3月6日までの13日間、約295時間分を撮影したものの一部で、約5時間分の映像。22年12月に、地裁の勧告を受けて国側が提出していた。
この日の協議で佐野裁判長は、原則として傍聴人を入れた公開の法廷で上映するとし、「(次回以降の)口頭弁論期日に行う」と述べた。1月の協議で「必要性がない」などとして、上映に反対する意向を示していた国側からの異議申し立てはなかったという。
ウィシュマさんの2人の妹は「やっと決まってよかった」「すごくうれしい」と口々に話し、ホッとした表情を見せた。【藤顕一郎】