強制送還4人のスマホ、初期化でデータ消去か…SIMカードない端末も

関東など各地で相次いだ強盗事件を巡り、フィリピンから強制送還された男4人のスマートフォンを警視庁が解析した結果、一部の端末はデータがほとんどない状態だったことが捜査関係者への取材でわかった。警視庁は端末を初期化するなどしてデータが消去された可能性があるとみて、復元できるデータがないか調べている。
強制送還されたのは、現地の入管施設で拘束されていた渡辺優樹(38)、今村磨人(38)両容疑者ら男4人。いずれも国内で約60億円の被害があった特殊詐欺グループの幹部とされ、警視庁が特殊詐欺事件に関与した窃盗容疑で逮捕している。
警視庁は、現地当局から、4人が入管施設内で使っていたとされるスマホやタブレット端末計約15台の引き渡しを受けた。このうち4台のスマホを解析したところ、いずれも端末内にデータがほとんどなく、新品の端末に近い状態だった。スマホの一部は、通信用SIMカードも入っていなかったという。
一連の強盗事件では、「ルフィ」や「キム」と名乗る指示役が、SNSの「闇バイト」に応じた実行役に秘匿性の高い通信アプリ「テレグラム」で指示を送っており、スマホなどが使われた可能性が高い。
国内で逮捕された一部の実行役のスマホには、フィリピンからの国際電話の着信履歴が残っており、警視庁は4人と一連の事件との関連を調べている。